教会報から

洗礼を受けて

Dさん(女性)

4月25日に上福岡教会でワレ神父様に洗礼を授けていただきました。晴れて明るい日でした。教会の信徒の方々から多くの祝福をいただき、身に余る思いで一杯でした。「これからが出発ですよ。」と皆さんから言われました。

当日は元の職場の友人たちが駆けつけてくれ、叔父は姫路から上京して参加してくれました。何かにつけて私を力づけてくれていた職場の友が代母を務めてくれました。洗礼式の中でフワっと代母にベールをかけられた時、キリストを着るという意味が少し理解できたような気がいたしました。同時に嬉しく感じました。

これまで主を「求める気持ち」と「ためらう気持ち」の間を揺れていましたが、今になって一歩を踏み出す決心ができたのは多くの出会いとお導きのおかげだと感じています。日曜日に上福岡教会のミサに通い、そこで知り合った信徒の方々との出会いが私の背中をそっと押してくれたように感じます。

私はキリスト教大学の職員でしたので、キリスト教に関心はありましたが、「仕事が忙しい」を言い訳にして本格的に主に向き合わず、いたずらに時間を過ごしていました。

しかし何故か、長年神学部図書館へ異動したいと思い、2003年には中央図書館から神学部図書館に異動が認められました。勿論、神学部図書館で神学の言葉や概念などわからないことばかりでしたので、毎年夏期の神学講座を受講しました。

2005年の夏期講座でシスター・カリタと知り合いました。お昼をご一緒し、休み時間にはヘンリー・ナウエンの「放蕩息子の帰郷」の本を勧めていただいたり、お話したりと楽しい時間を持つことができました。それ以来、「放蕩息子の帰郷」は思い出深い愛読書になりました。引き続きシスターに月一回、個人的にキリスト教の勉強会をしていただきました。ほどなくシスターの本国への帰国が決まり、途方に暮れていた私を、教え子四人に託してくださいました。最後の勉強会のときにお会いした上福岡教会のEさん、Fさん、Gさん、Hさんです。

それからの四人のメンバーは、今日までの四年間いつもそばにいてくれました。その間に、私の個人的な状況が大きく変わり、父が亡くなり、母が実家で一人暮らしになるので、私は2008年に早期定年を選択いたしました。

シスターの帰国後、どのように勉強を続けていったらよいか困っていたときに、「真生会館でキリスト教の入門講座がありますよ。」と教えてくれたのが、Eさんでした。その後Eさんは、洗礼を受けて間もなく病気のため天国に旅立ちました。茫然とした私にはキリスト教の勉強を続けることが彼女のメッセージのように思えました。

また、Hさんは川越教会のワレ神父に引き合わせてくれました。真正会館の森司教様とワレ神父様の二人の師に出会えたのが大きな恵みでした。GさんとFさんは歩みの遅くなりがちな私の手をずっと離さずにいてくれました。このご縁がなかったらと思うと寒々とした気持ちに駆りたてられます。

二人の師の下に、自分の今までの人生を投影して様々な思いを抱え、イエスを考えました。イエスの生涯にはなお掴み難い神秘と謎があります。学生時代に読んでいた親鸞の「歎異抄」とイエスの逆説的な比喩が似ていると感じましたし、イエスの豊かな表現に驚かされました。

たとえ話には生活者イエスの汗の臭いがするような表現にたびたび出会いましたし、うなずく実感のこもる話に満ちています。生き生きとしたイエスや取り巻く人間の姿が、壮大な絵巻物のように浮かび上がります。なぜだろうかと思えば、それが真実のイエス像にほかならないと遅まきながら気づかされました。

また、聖書を読むと自分のアイデンティテーを強く意識させられました。それは初めて旅行でヨーロッパの地を踏んだ30年前の感覚を思い出させました。石造りの教会建築に圧倒されて、しっかり両足で立たないと自分が西洋の構築してきた文化を前に粉々になってしまうと立ちすくんだ感情に似ていました。自分のなかの「土着性」を自覚して、日本人の宗教性を考えていくときに、遠藤周作から宗教を考えるヒントを得たように思います。

遠藤周作が「キリストの生涯」の中で「イエスが一度その人生を横切った人間はイエスのことをいつまでも忘れられなくなるのである。」と述べています。

私にも同じことが言えると思いました。イエスに人生を横切られた人間として、これからは出会った「愛」について行こうと思いました。

最後に暖かく迎え入れてくださった上福岡教会の方々に御礼申し上げます。

所沢に老母がいますので、母の様子を見ながら、いただいたご縁を大切に上福岡教会のミサに与り、主をいつも身近に感じていきたいと思っています。

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2010被昇天号(2010年8月15日発行)より転載

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